巡回先の状況を画面で確認できる。センサーの情報から、現地へ行く前に変化を把握できる。スマート保安が進むと、移動や記録の負担が減る可能性があります。その一方で、「点検が省力化されれば、人も必要なくなるのでは」と感じる方もいるでしょう。
将来の採用人数まで一律に予測することはできません。ただ、現場確認の一部を技術が補えることと、保安の仕事全体がなくなることは別です。働き方を考えるうえでは、何が効率化され、担当者にどの役割が残るかを見ることが大切です。
スマート保安は、点検を丸ごと省略する仕組みではない
経済産業省のスマート保安アクションプランは、新しい技術が従来の作業をどこまで補い、代替できるかを確認しながら、安全性と効率性の向上を目指すものです[1]。機器を導入すれば、どの設備でも自由に点検を減らせるという意味ではありません。
現場では、対象設備に適した監視方法か、必要な情報を取得できるか、異常時に誰が対応するかまで考える必要があります。制度上の適用条件と、設備ごとの保安規程・運用手順の確認も欠かせません。
スマート化は道具を入れて完了するものではなく、その道具を使って安全に仕事が回るようにする取り組みです。
遠隔監視があっても、情報が正しいかを確かめる
例えば、監視画面で発電量がゼロになったとします。設備が止まっているのか、通信が途切れたのか、予定された停止なのか。表示だけでは分からないことがあります。
まず確認済みの情報と未確認の情報を分け、記録や連絡内容を照合し、必要な現地確認につなげる。こうした進め方ができて初めて、遠隔の情報が役に立ちます。画面を見られることと、状況を把握できることは同じではありません。
通信が途切れたときの体制まで確認する
監視の仕組みが使えない場合、誰が気づき、誰に連絡し、どの方法で状態を確認するのか。
「常時監視しています」という説明だけでは、担当者が夜間も連絡を受けるのか、別の窓口が一次対応するのかは分かりません。技術の有無に加えて、人の動きまで確かめると、実際の負担を理解しやすくなります。
記録を集めた後に、保全へつなげる仕事がある
データが増えるほど、記録を残すだけではなく、どの変化を検討すべきかを整理する仕事が必要になります。過去との違いを関係者に説明し、点検や修繕の優先順位を考えるための材料にしていく仕事です。
三菱電機は、関東電気保安協会と、受配電設備向けのスマート保安・デジタルO&Mの実証に取り組むことを公表しています[2]。これは技術活用が現実のテーマになっている一例ですが、特定企業の実証を、業界全体ですでに実現した成果として扱うことはできません。
仕事を選ぶ際も、「最新技術を導入」という言葉に加え、運用開始済みか、実証段階か、担当者がどこまで使うかを確認したいところです。

効率化された時間を、何に使える職場なのか
遠隔監視で移動が減っても、担当設備や書類業務が増えれば、余裕が生まれるとは限りません。働きやすさを知るには、担当範囲、現地対応、報告業務を合わせて聞く必要があります。
面談では、「一人で見る設備の範囲はどの程度か」「警報を受けてから現地対応まで、誰が何を担当するか」「現場の気づきを修繕計画に反映する機会があるか」などを尋ねてみてください。技術の導入と、働く人の負担の関係が見えてきます。
スマート保安に詳しくない方も、遠慮する必要はありません。これまでの点検で何に気づき、どう報告してきたかは、データを現場の仕事につなぐ土台になります。
リエネ・エナジーのO&Mで、監視と現場のつながりを知る
リエネ・エナジーのO&Mでは、遠隔監視と現地での点検が業務として説明されています[3]。関心をお持ちの方は、自分が希望する職種に即して業務内容を確認してみましょう。
「スマート化されているから楽になる」と期待するより、設備の情報をどう読み、現場でどう確かめ、誰と改善につなげるのかを知る。その方が、入社後の仕事を具体的に想像できます。
今の点検経験を、監視や計画の仕事にも広げたいと感じたら、リエネ・エナジーの採用情報を入口に、担当業務と支援体制を確かめてみてください。

参考・出典
[1]経済産業省「電気保安分野 スマート保安アクションプラン」
